【薬剤師監修】プロペシアの効果と副作用を解説!効果はいつから出るの?

【薬剤師監修】プロペシアの効果と副作用を解説!効果はいつから出るの?

「最近抜け毛の多さが気になる」
「でも、どのような治療をすればいいのかわからない」

男性型脱毛症(AGA)による薄毛の進行を予防するために、世界中で使われている薬がプロペシアです。
薄毛を改善するには、自分に合った治療を出来るだけ早く始めることが大切です。
そのためには、プロペシアのさまざまな特徴を知る必要があります。

この記事では薄毛治療を考えている方に向けて、以下の点を分かりやすく説明します。

この記事でわかること
  • プロペシアの効果
  • プロペシアの効果が実感できるまでの期間
  • プロペシアの副作用

また、後半でプロペシアに関するよくある質問にも答えているので、自分の薄毛の状態と照らし合わせて当てはまっている場合は、服用を検討してみてください。

この記事の監修者

中川陽子
中川陽子薬剤師・医学修士
北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。

プロペシアの効果

プロペシアには以下の2つの効果が期待できます。

  • 抜け毛の予防
  • 薄毛の進行を防ぐ

それぞれ具体的にどのような効果が期待できるのかを説明する前に、薄毛の主な原因となるAGAの発症メカニズムを簡単に説明します。

  • 1. 男性ホルモンであるテストステロンが 5αリダクターゼという酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)に変換される
  • 2. DHTがアンドロゲンレセプターと結合する
  • 3. 脱毛因子であるTGF-βや脱毛タンパクのDKK1が生成され、ヘアサイクルが乱れて脱毛が促進する

AGAについて詳しく知りたい方は、以下のページで詳しく解説しています。

 

参考記事
【薄毛男性必見】AGAとは?治療法・費用・治療期間をまとめて解説
【薄毛男性必見】AGAとは?治療法・費用・治療期間をまとめて解説

 

抜け毛の予防

プロペシアは抜け毛の予防効果が期待できます。
プロペシアの有効成分であるフィナステリドは、AGAの原因となる5αリダクターゼⅡ型の働きを抑制し、DHTの生成を阻害する効果があります。

プロペシアが抜け毛予防効果があることは、臨床試験によって明らかになっています。

フィナステリド(1mg/日、0.2mg/日)を用いた、414名の「日本人」男性被験者を対象とした観察機関48週間のランダム化比較試験において、頭頂部の写真撮影による効果判定では、1mg/日では58%が軽度改善以上の効果があり、0.2mg/日では54%が軽度以上の効果がみられました。1mg/日投与2年では軽度改善以上が68%、3年では78%が軽度改善以上の効果が認められたということです。

出典:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

プロペシアによってDHTの生成が抑えられるとヘアサイクルの乱れが正常に戻り、太く抜けにくい髪の毛に成長できるようになるため、抜け毛の予防につながるのです。

薄毛の進行を防ぐ

AGAは進行性で放っておくと悪化してしまいます。
逆に言えば、しっかりと治療することによって進行を防げるのです。
AGAの進行を防ぐ方法は、プロペシア(フィナステリド)かザガーロ(デュタステリド)しかありません。

また、プロペシアは薄毛の進行を抑えるだけであって、抜けてしまった髪の毛を再び生やす発毛効果は期待できないので注意してください。
発毛効果が認められているのは「ミノキシジル」だけです。
特にミノキシジルの外用は「AGAガイドライン」において、AGA治療の方法としてプロペシア同様もっとも推奨されています。

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プロペシアの効果が実感できる期間

プロペシアの効果が実感できるまでの期間は個人差があり、早い方は3~4ヶ月、平均すると約半年ほどかかります。
最低でも6ヶ月以上治療を続けましょう。

3ヵ月の連日投与により効果が発現する場合もあるが、効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要である。また、効果を持続させるためには継続的に服用すること。なお、増量による効果の増強は、確認されていない。
本剤を6ヵ月以上投与しても男性型脱毛症の進行遅延がみられない場合には投薬を中止すること。また、6ヵ月以上投与する場合であっても定期的に効果を確認し、継続投与の必要性について検討すること。

出典:プロペシア添付文

時間がかかる理由は、退行期と休止期にある髪が抜け落ちて生え変わり、成長するまでに時間がかかるためです。

プロペシアは短くなった成長期を正常な期間に戻す効果が期待できますが、退行期や休止期にある髪の毛には効果はありません。
これらの期間にある髪の毛が太く成長するためには、一度抜け落ちて生え変わり成長期の髪の毛になる必要があるのです。

プロペシアを6ヶ月服用しても改善がみられない方は、薄毛の原因がAGAではない可能性があります。
医師に相談し、薄毛の原因がAGAかどうか確認してもらいましょう。
薄毛の原因がAGAだった場合には、発毛効果が期待できるミノキシジルと併用することをおすすめします。

プロペシアの副作用

プロペシアは安全性の高い薬ですが、ごく稀に副作用があらわれることがあるという報告があります。
どの副作用も発生頻度は低いため、服用することに神経質になる必要はありません。

ただ、どのような副作用が報告されているかを知っておいた方がよいでしょう。
万が一異常があらわれた場合は、すぐに服用をやめて医師に相談してください。

報告されている副作用は以下の3種類に大きく分けられます。

  • 過敏症
  • 生殖機能障害
  • 肝機能障害

それぞれ具体的にどのような症状があらわれるのか説明します。

過敏症

プロペシアの副作用のひとつめは過敏症です。
頻度不明ですが、服用後にそう痒症や蕁麻疹発疹などの症状があらわれたという報告があります。

生殖機能障害

発症率は非常に低いですが、性欲減退や勃起不全、射精障害、精液量減少などの生殖機能障害の副作用の報告があります。

肝機能障害

肝機能障害は、プロペシアに限らず肝臓で分解される薬を服用した場合に起こる副作用です。
肝臓に異常がない方はそれほど気にする必要はありません。
しかし、もともと肝臓に異常がある方は、定期的に検査をして肝臓の状態を確認することをおすすめします。

その他に報告されている副作用

その他に乳房肥大や乳房圧痛などの女性化症状や抑うつ症状があらわれたという報告があります。
また、プロペシアの服用をやめても、勃起不全や抑うつ症状が改善しない「ポストフィナステリド症候群」が海外では報告されています。

詳しくは下の記事をご覧ください。

 

参考記事
ポストフィナステリド症候群とは|症状、原因、予防方法について説明
ポストフィナステリド症候群とは|症状、原因、予防方法について説明

 

プロペシアの禁忌

プロペシアは胎児に及ぼす影響を考えて、妊婦もしくは妊娠する可能性がある女性、授乳婦は服用してはいけないことになっています。

男性胎児の生殖器官の発達には、男性ホルモンが関係しています。
プロペシアはDHT生成を抑制する効果があるため、胎児の生殖器の発育異常を引き起こす可能性があるのです。

プロペシアは服用をやめてから悪影響を及ぼさない量まで体外に排出されるのに「約1ヶ月かかる」といわれています。
そのため、献血もプロペシアの服用をやめてから1ヶ月以上経っていないとできない規定となっています。

プロペシアに関するよくある質問

最後にプロペシアに関するよくある質問にお答えします。
ここで回答するのは以下の4つです。

  • 併用できない食べ物や薬はある?
  • ミノキシジルとの違いは?
  • 飲み続けないといけないの?
  • ジェネリック医薬品はある?

詳しく解説します。

併用できない食べ物や薬はある?

プロペシアと併用できない食べ物や薬はありませんが、併用を控えた方がよいものはあります。
食べ物はグレープフルーツ、薬はCYP3A4阻害剤です。

プロペシアは肝臓に存在しているCYP3A4という酵素によって代謝され排出されています。
しかし、グレープフルーツに含まれているフラノクマリンは、CYP3A4の働きを阻害してしまうのです。

グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類は小腸上皮細胞に存在する CYP3A4 を不可逆的に阻害します。そのため、本来は分解されるはずの医薬品がそのまま体内に吸収されることにより、薬効の増大や副作用リスクの増加につながっています。

出典:高の原中央病院

そのため、グレープフルーツを食べてプロペシアを服用すると、効きすぎてしまったり逆に効かなくなってしまったりする可能性があります。
併用できないわけではありませんが、プロペシアを服用するのであればグレープフルーツは控えた方がよいでしょう。
グレープフルーツジュースやゼリーもおすすめできません。

また、マクロライド系抗生物質やプロテアーゼ阻害剤などCYP3A4の働きを阻害する薬を服用している方は、上記の理由から前もって医師に相談することをおすすめします。

ミノキシジルとの違いは?

プロペシアは脱毛抑制効果が期待できるのに対し、ミノキシジルは発毛効果が期待できる薬です。
作用が異なるため、併用すると薄毛に対する増毛効果はより一層高まると考えられています。

飲み続けないといけないの?

​​プロペシアの効果を持続させるためには、服用し続ける必要があります。
AGAは進行性の疾患であるため、プロペシアを服用して一度進行が抑えられたとしても服用をやめると、また脱毛が始まり薄毛に戻ってしまうのです。

しかし、常に同じ量を服用し続けなければいけないということではありません。
プロペシアの用量は1日1錠ですが、一度薄毛の改善がみられたら、医師と相談して改めて用量を決めるようにすることをおすすめします。

ジェネリック医薬品はある?

プロペシアのジェネリック医薬品はあります。
パッケージなどは違っていても、効果はプロペシアと大きな差はないため安心して服用してください。

ただ、クリニックによって値段が異なります。
以下の記事でプロペシア(フィナステリド)の安い順にAGAクリニックを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

 

参考記事
【毛髪診断士監修】おすすめAGAクリニック9選|フィナステリドの安い順で紹介
【毛髪診断士監修】おすすめAGAクリニック9選|フィナステリドの安い順で紹介

 

まとめ

プロペシアについてまとめます。

  • プロペシアはAGA進行を抑制する効果があるとされている治療薬
  • 即効性はなく効果が実感できるまで平均で約半年かかる
  • 副作用の発生頻度は非常に低いが、過敏症や肝機能障害、生殖機能障害などの副作用が報告されている
  • 妊婦や妊娠する可能性がある女性、授乳婦は禁忌

プロペシアは脱毛抑制効果が期待できます。
副作用の発生頻度は低いですが、もし少しでも異常を感じたら服用をやめて医師にすぐに相談するようにしましょう。

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