【管理栄養士監修】乾燥わかめを食べても薄毛・AGAは改善しない!
男性の中には、髪が生えることを期待して乾燥わかめを大量に食べる方がいます。
しかし、乾燥わかめを食べても薄毛やAGAは改善しないどころか、健康被害を受けてしまいかねません。
この記事では、乾燥わかめの食べ過ぎによる健康被害や正しい薄毛・AGAの改善方法を紹介します。
【結論】わかめを食べても薄毛やAGAは改善しない
昔から「わかめを食べると髪が生える」という情報がありますが、これは根拠がなく誤りです。
実際にわかめを食べることで薄毛やAGAが改善するという科学的根拠はありませんし、「改善した」というエビデンスも存在しないのです。
ただ、わかめには「髪の成長に良い影響を与える成分」が含まれているのは事実です。
わかめの栄養素
「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」による乾燥カットわかめの成分表(100gあたり)をご覧ください。
たんぱく質 | 17.9g |
ビタミンB2 | 0.08 mg |
ビタミンB6 | 0.01 mg |
亜鉛 | 2.8 mg |
これらはすべて「髪の成長に必要」とされる栄養素です。
それぞれの役割を簡単にまとめましたので、こちらをご覧ください。
- たんぱく質:髪の主成分
- ビタミンB2:皮膚や粘膜の健康を維持
- ビタミンB6:たんぱく質を分解しアミノ酸を体内に供給
- 亜鉛:髪の生成を助ける、脱毛を促す男性ホルモンを抑える可能性がある
わかめにはこれらの栄養素が含まれているため、「髪に良い影響を与える」のは事実だと言えます。
特に、髪の生成を助ける亜鉛が豊富で、髪の毛を作るのに効果が期待できるのはたしかでしょう。
わかめよりも正しい治療が大事
ただし、そもそも薄毛やAGA最大の原因は「男性ホルモン」です。
男性ホルモンがDHT(ジヒドロテストステロン)に変換し、脱毛を促進する物質が産生され、毛母細胞がダメージを受けて脱毛してしまうわけです。
たしかにわかめは髪に良い影響を与える栄養素が含まれていますが、男性ホルモンがDHTに変換することを防ぎきれるわけではありません。
つまり、「予防」や「改善」は期待できないわけです。
薄毛やAGAを治療したいなら、専門医に相談し適切な治療をはじめましょう。
乾燥わかめの食べ過ぎは危険
わかめの中でも「乾燥わかめ」は、食べ過ぎると健康被害を引き起こす恐れがあるので気をつけてください。
その理由は「膨張率」にあります。
乾燥わかめは水分を含むと膨張し、大きさが重量比で10倍以上になることもあるのです(参考:https://www.rikenvitamin.jp/inquiry/qa_products/012.html)。
乾燥させたまま食べる人はさすがにいないとは思いますが、しっかり膨張させ切ってからでないとおなかのなかで増えて苦しくなる可能性があります。
乾燥わかめを食べすぎると、消化がわかめの膨張に追いつかず嘔吐や腹痛を引き起こしてしまう恐れがあります。乾燥わかめには生のわかめより食物繊維が豊富に含まれているので、消化しづらく多量にとることはお勧めできません。
食べ過ぎたことによって「腸梗塞を引き起こしたり内臓破裂したりする」という情報は定かではありません。
乾燥わかめを戻さずにそのまま食べるということをしなければ心配いらないでしょう。
とはいえ、上で解説したように、乾燥わかめは薄毛やAGAを大幅に改善させるものではありませんし、食べ過ぎはメリットよりもデメリットのほうが圧倒的に多いと言えるでしょう。
正しい治療法とバランスの良い食生活が大事
今まで説明してきたことをまとめると、乾燥わかめは「髪に良いとされる成分」が含まれているものの、AGAや薄毛の改善を期待できるものではありません。
また、食べ過ぎには嘔吐や腹痛などのリスクがあります。
これらのことから、「わかめを食べても髪が増えないならどうすればいいの?」と不安に感じる方もいるでしょう。
そこで、こういった悩みに対する解決策を紹介します。
正しい治療法
薄毛・AGAの正しい治療法として、「AGAガイドライン」で推奨されているのがこちらです。
- フィナステリドの内服
- デュタステリドの内服
- ミノキシジルの外用
「AGAガイドライン」とは、AGA治療の指針を科学的・医学的な根拠とエビデンスを用いてまとめたものです。
これらの治療法は、その「AGAガイドライン」において「推奨度A:行うよう強く勧める」とされています。
簡単に説明すると、フィナステリドとデュタステリドは、男性ホルモンをDHTに変換させる「5αリダクターゼ」を阻害する働きがあります。
詳しくはこちらをご覧ください。
ザガーロ、プロペシアとはデュタステリド、フィナステリドの商品名です。
また、ミノキシジルは国内で唯一発毛効果が認められた成分です。
ミノキシジルはドラッグストアで購入できますが、デュタステリド、フィナステリドはAGAクリニックなど医療機関で医師の処方を受けなければなりません。
AGAクリニックに関しては、こちらの記事をご覧ください。
バランスの良い食生活
わかめだけに頼るのではなくバランスの良い食生活を心がけてください。
バランスの良い食生活を心がけることで、薄毛治療の効果を高められるのです。
特に、「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」によると、わかめにはビタミンCが含まれていません。
ビタミンCは亜鉛の吸収を助ける働きが期待できる大切な栄養素です。
ビタミンCが多く含まれる赤ピーマン、じゃがいも、みかん、いちごなどを同時に摂取し、亜鉛の吸収をサポートしましょう。
バランスの良い食生活については、こちらの記事でも詳しくまとめています。
乾燥わかめと薄毛に関するよくある質問
最後に、ミノキシジルのジェネリックに関する3つのよくある質問に回答します。
- 乾燥わかめは薄毛に効果あるの?
- わかめの食べ過ぎって危険?
- 薄毛の正しい治療法は?
それぞれ解説します。
乾燥わかめは薄毛に効果あるの?
わかめを食べることで薄毛やAGAが改善するという科学的根拠はなく、「改善した」というエビデンスも存在しません。
しかし、わかめには「髪の成長に良い影響を与える成分」が含まれているのは事実です。
乾燥わかめは薄毛に効果あるの?
わかめは栄養が豊富な食物であり、髪の毛にいい影響を与えるとされているビタミン、亜鉛が豊富に含まれています。
そのため、薄毛に直接効果があるわけはないですが、頭皮環境にいいことは間違いないので間接的に効果があると言えるかもしれません。
薄毛の正しい治療法は?
そもそも薄毛やAGA最大の原因は「男性ホルモン」です。
正しく治療するためにはAGA治療をお勧めします。
薄毛やAGAを治療したいなら、専門医に相談し適切な治療をはじめましょう。
まとめ
乾燥わかめの食べ過ぎについてまとめます。
- わかめは薄毛・AGAを改善するものではない
- 抜け毛などの予防につながる「髪に良い成分」が含まれているのはたしか
- ただし、食べ過ぎは健康被害のリスクがある
- 薄毛・AGA治療は科学的に根拠があるものを
- バランスの良い食事を心がけて治療の補助にする